J、バーチャル億万長者になる
moomooアプリを開き「デモ取引」のボタンを押した瞬間、私の資産額(※架空)は劇的に増えた。

見ろアイちゃん! 資産2000万円だ!(※米国株と日本株で各1000万設定)
昨日の俺とは格が違うぜ。何でも買える気がする!

(あぁ、典型的な『気が大きくなる』パターンだ…) Jさん、それはただの電子データです。
失っても痛みはありませんが、増やせなければあなたの『投資家としてのセンス』はゼロということです。 緊張感を持ってください。
いざ、銘柄選び(スクリーニング)

分かってるって。 えーと、前回の復習だな。
『PERがそこそこ低くて(割安)』、『ROEが8%以上(稼ぐ力あり)』のやつを探せばいいんだな?

はい。moomooの『スクリーナー(条件検索)』機能を使えば一瞬です。
…お、一つ候補が出ましたね。 誰もが知る大手商社株です。

よし! この商社株を買うぞ! 『取引』ボタンをポチッとな!
どっちのボタン? 「成行」vs「指値」
注文画面を開くと、また知らない言葉が立ちはだかった。

ん? 『注文種別』? 『指値(Limit)』と『成行(Market)』…?
なんだこれ、どっちを選べばいいんだ?

これは非常に重要です。 買い物に例えると分かりやすいですよ。」
- 指値(さしね): 「100円なら買うけど、101円なら要らない」という注文。 値段を指定できますが、その値段まで下がってこないと買えません。
- 成行(なりゆき): 「値段はいくらでもいいから、今すぐ売ってくれ!」という注文。 確実に買えますが、思わぬ高値で買ってしまうリスクがあります。

うーん、ちまちま値段を指定するのは面倒だな。
こっちは大富豪(デモ)なんだ。 『成行』でドーンといこう!

(あ、言ってるそばから…) まあいいでしょう。これも経験です。
「約定」の音、そして…
私は数量に「100株」と入力し、「買い注文」ボタンをスライドさせた。
『約定(やくじょう)しました』
スマホが軽く震え、私のポートフォリオに商社株が組み込まれた。 その瞬間である。

うわっ!? 買った瞬間に『-300円』になってるぞ! おい! 詐欺か!?

落ち着いてください。
それは『スプレッド(買値と売値の差)』などのコストや、ほんの少しの値動きです。
買った直後はマイナススタートになるのが普通ですよ。

そ、そうなのか…。ビックリさせやがって。 お、数字が動いた。
『+200円』! よっしゃプラスだ! もう売って利益確定(利確)していいか!?

買ってからまだ10秒ですよ! カップラーメンも出来ていません。
Jさん、『損益の数字(チラチラ動くお金)』ばかり見ていませんか?
ポジションを持つと「IQ」が下がる

これこそが、デモトレードで学んでほしかったことです。
人間はポジション(株)を持った瞬間、冷静さを失います。
ちょっと下がれば恐怖を感じ、ちょっと上がればすぐに利益を確定したくなる。
これを『プロスペクト理論』と言います。

うぐぐ…。 ニセモノのお金だと分かってるのに、
この数字が赤字(マイナス)になると心臓がキュッとなるな…。

デモですらそうなのですから、自分のお金なら尚更です。
この『感情のブレ』に慣れるまでは、本番に行ってはいけません。
しばらくこのアプリで資産を増やせるか『ゲーム』として遊んでみてください。
次回予告
Jはデモトレードの沼にハマった。 しかし、適当に売買しても資産は増えない。
AIは次なるステップとして「プログラミング知識ゼロでも作れる、自分だけの『売買シグナル』」の
開発を提案する。
コメント